動詞の変化形
動詞には、変化していないもとの形「原形」と、独自の意味をもつ「現在形」「過去形」「過去分詞形」「-ing形」とよばれる変化形があります。変化形それぞれの形と、基本的な意味をマスターしましょう。
現在形
動詞は文の「時」をあらわすことができます。現在形は文内容が「現在」であることをあらわす形です。
現在形は be動詞において、最も大きく変化します。
- I am a student.
- You are very kind.
- Ken is so smart!
- Ken and Mary are in the schoolyard.
be動詞の原形は be。そしてこの動詞は主語によって am, are, is と変化します。主語が単数なら is、複数なら are。単数でも I と you は特別にそれぞれ am, are と変化させます。
be動詞の変化形はドウシテモ!
英語初心者にとって、be動詞の変化はとても腹立たしいものです。「面倒くさいから全部 be でいいじゃないか」。だけどね、この変化形はドウシテモ覚えてもらわねばなりません。すべてを be としても理解はできますが、大変特殊な英語になってしまいます。例文を100回読んでください。30分でこの程度は頭に入ります。30分の努力を惜しんで一生涯特殊な英語...どう考えても損ですよね?
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- I play soccer every day.
- My son plays soccer at school.
- He has a wonderful family.
一般動詞の現在形は、主語によって激しく変化することはありません。ほとんどの場合原形をそのまま使うことができます(1)。ただ唯一形が変わるのが「三単現の -s」と呼ばれるケース。主語が「三人称で単数。そして現在を示すとき、動詞の語尾には s」が付きます。
(2)を見てみましょう。主語は my son。そしてもちろん「私の息子」という単数を指しています。したがって plays となるわけです。また、一般動詞の中で唯一 have だけは、三単現の場合 has となり形が大きく変わります。
【文法用語解説】人称
文の話し手から見て、誰を指しているのかを示す用語。話し手は「一人称」、聞き手を「二人称」、それ以外を「三人称」とよびます。つまり「三人称」とは「I, you 以外」だということです。覚えなくてもいいよ。ほかに使いみちないし。
三単現の -s は絶対に守らなくてはならないのか?
実のところ、三単現の -s はそれほど重要な文法規則ではありません。たとえ間違えて He play tennis. と言ったとしても、誤解されることは一切ありません。実質を伴わない形骸化したルールなのです。
だけどね、やっぱりキチンと付けた方がいい。あまり頻繁に間違えると「んー、この人キチンとしたことば遣いができないんだな」「あんまり教養がないかも」と誤解を受けてしまうからです。面倒くさいけどキチンと付ける。間違ってもクヨクヨしなくていい_それが三単現の -s への正しい身の施し方です。
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■現在形の変化
三単現の -s の作り方を確認してください。語尾によって -s, -es, -ies を付けるケースがあります。
-s(ほとんどの動詞)likes / works / taps
-es(語尾が -ss / -x / -sh / -ch / -o)
-ies(語尾が「子音字+y」の動詞)
【-s / -es の発音】...[s] [z] [iz] の3通り。
原形が無声音(息だけの音)で終わる場合、息だけの音 [s] となり、有声音(声を出す音)の場合、声を出す [z] となります。同種の音を使うということですね。s(ス)sh(シュ)ch(チ)などで原形が終わる場合 [iz] となります。
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過去形
過去形は文の内容が「過去」であることを示す形。
- I was really happy.
- They were sad.
be動詞は過去形においても、やはり大きく変化します。you 以外の単数主語なら was、複数なら were と変化します。もちろん現在と関連づけて am, is →was, are → were と考えてもいいですよ。
- I played soccer yesterday.
- He played in the All Japan High School Soccer Tournament last year.
一般動詞の過去形は基本的に、原形に -ed を付けてあらわします。過去形は主語によって変化しません。現在形では、三単現の -s が付くケース(4)も同じように played となります。現在形より簡単ですね。ところが悪いニュースがあります。日常使われる動詞の多くが、過去形になると大きく形を変えるのです。
■過去形の変化
-ed を付けて過去形を作る動詞を「規則動詞」、大きく形を帰る動詞を「不規則動詞」とよびます。規則動詞の場合、過去形と過去分詞形は同じ形です。
-ed(ほとんどの動詞)played / finished
-d(語尾が -e)
-ied(語尾が「子音字+y」の動詞)
語尾の子音字を重ねて -ed(語尾が「1母音字+1子音字」)
stopped / planned
※1母音字 a, i, u, e, o (母音)1字ということ。
(注意)「1母音字+1子音字」であっても、子音字が y, w のときには、子音字を重ねません。 stay → stayed
(注意)「1母音字+1子音字」であっても、最後の音節が強く発音されない場合には、子音字を重ねません。(visit は vis / it と2つの音節からなります。最終音節は強く発音されません。 visit → visited)
-ked(語尾が -c で終わる動詞)panicked
【-ed の発音】...[id] [t] [d] の3通り。
[t] [d] で終わるものは [id] (例)visited / patted / ended
[t] 以外の無音声で終わるものは [t] (例) stopped / liked / finished
[d] 以外の有音声で終わるものは [d] (例)loved / listened / studied
原形の語尾が無音声なら -ed の発音も無声音の [t] 。有声音なら有声音の [d]。やはり同様の音を使う原則です。発音のしやすさからこうした読み方になります。
【文法用語解説】音節
「音節」は、母音を中心にしたおとのまとまり。日本語の「柿(ka-ki)」で、「か」「き」をひとまとまりに音とみなすように、英単語もいくつかのまとまりでできているのです。それが「音節」。辞書の見出しで fla-vor などと単語を区切っているのを見たことはありませんか?単語をその途中で分断し次行に送るときの区切りですが、音節に一致します。
-ing形
- He is playing soccer at the moment.
- The girl playing soccer with the boys is Manami.
- Playing soccer is a lot of fun.
動詞に -ing を付けた形、それが -ing形。生き生きとした躍動感あふれる行為をあらわす形です。
-ing形は、動詞としてではなく、主語(He)や文中の語句(The girl)を説明したり、名詞と同様に使うことができます。もちろん文中の配置によってさまざまな機能が与えられるわけです。
■-ingのつけ方
-ing(ほとんどの動詞)looking / reading
e + ing(語尾が -e)taking / making
語尾の子音字を重ねて -ing(語尾が「1母音字+1子音字」)
playing / knowing
(注意)「1母音字+1子音字」であっても、子音字が y, w のときには、子音字を重ねません。 stay → stayed
(注意)「1母音字+1子音字」であっても、最後の音節が強く発音されない場合には、子音字を重ねません。(visit は vis / it と2つの音節からなります。最終音節は強く発音されません。 visit → visiting)
ie → ying(語尾が -ie で終わる動詞)
die → dying / lie → lying
過去分詞形
- He is good! He surely has played soccer before.
- Soccer is played by over 240 million people.
- The sport played by most people? That's soccer.
動詞の過去分詞形は2つの意味合いをもちます。まずは「完了」。「have + 過去分詞」で現在完了形という、必須の時表現を作ります(1)。もう1つは「~される(受動)」。(2)(3)のように主語や文中の語句を説明することができます。
ではでは、盛り沢山の動詞の変化形はここまで。
See you again.