可算・不可算は臨機応変
ブロークンな英語でかまわないなら「dog は形があるから可算、water は不可算」_この程度の認識で全くかまいません。ただ、可算・不可算をネイティブ並みに使いこなしたいなら「臨機応変」を身につけましょう。
可算・不可算の区別は「この名詞は可算」「あの名詞は不可算」と、名詞によって厳密に決まっているわけではありません。どちらにも使う名詞は数多くあり、その使い分けは「具体的で決まった形があるかどうか」という基準に従って臨機応変に行われているのです。
可算・不可算の違いで大きく意味が異なる名詞
まずは分かりやすいものから。名詞の中には、可算・不可算の区別が大きな意味の違いにつながるものがいくつかあります。
- The suspicious parcel was wrapped in brown paper.
- Your idea is great on paper, but it'll never work in practice.
- I saw the ad in a paper.
①の paper は裸で使われいます_不可算。どんな材質のもので包まれているかをのべているに過ぎません。②も不可算。紙の上ではね_「机上の空論だよ」ということ。一方、③の新聞など形あるものを指すときには可算となります。
その他の注意すべき名詞
可算・不可算で意味が大きく異なるものには以下のものがあります。ご注意を。
- room(スペース・部屋)
「スペースや余地」は不可算で、スペースを区切って形を与えると可算で「部屋」 - glass(ガラス・グラス・メガネ)
ガラスは形がないので不可算。グラスやメガネといった形を与えると可算。 - work(仕事・作品)
- time(時・器官・機会・回数)
モノの「状態」
- Look at the size of those pumpkins!
- How much pumpkin did you put in the soup?
ネイティブは可算・不可算を見ただけで、モノの状態がわかります。①の可算 those pumpkins からは「ああ、コロコロしてるかぼちゃだね」②の不可算の pumpkin では形がなくなっている_切られたり煮込まれてとけたりしているんだろうな。
同じ名詞でも状態によって可算・不可算は変わるのです。
モノに対する「見方」
- How many cakes did you eat?
- How often do you eat cake?
可算・不可算の判断に大きく影響を及ぼすのは、モノに対する見方です。
①が「いくつ?」と形あるカタマリを意識しているのに対して、②は「(ケーキとしう食べ物を)食べる?」と言っているのです。このレベルの使い分けができるようになれば、かなりネイティブの語感と近くなっています。
- Two buses came at the same time.
- I go to school by bus.
同じ bus という単語が①では可算、②では不可算、この違いは、やはり「見方」が違うから。①は普通の_形あるバスを意味しています。②では交通手段としてのバス(by は「手段・方法」をあらわす前置詞)具体的なバスは思い浮かべられてはいないのです。だから不可算。
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可算・不可算が判断できたら、単数か複数かの区別をしましょう。
See you again.