代名詞|it
it(それ)には、代名詞の中でも特にバリエーションに富んだ使い方があり、一度慣れるとこれほ便利な単語もありません。「それ」という日本語ではなく、その意識をしっかりと学んでいきましょう。
文脈に登場したもの・内容を受ける it
- What is that? _ It's a can opener.
- How did you like the movie? _ I liked it a lot.
- I'm really sorry. It won't happen again.
- This is going to be a fantastic event. There's no doubt about it.
- And another thing. You should ... _ OK, OK, I got it.
it は、ほかの代名詞と同じ「受ける」単語です。この単語には he, she などのように性別がありません。最も広範囲に何でも受けることができる万能語なのです。
まずは、単純な使い方。文脈(話しの流れ)にあらわれたモノ(単数)や内容を受ける例から。①②は、 that, the movie を受けて、「缶切りだよ」「すごく良かったよ」と発言を展開しています。③~⑤では「起こってしまったこと」「すごいイベントになるということ」「指示の内容」を受けて it と使っています。要するに何でも受けることのできる便利な単語、それが it ってこと。
状況を受ける it
- It's dark here.
- How's it going, Chris?
it はまさに万能。この単語は身のまわりに感じられる状況を「受ける」こともできrのです。①の「暗いよ」、②の「君の状況はどう(how)進んでいるのか(going)」ここから「調子はどう?」となるのです。
■Who is it?
日常使われる表現がこれ。Who are you? と区別してください。
電話が鳴ったとき、ドアがノックされたときの「誰ですか?」です。it は状況を受けて「誰?」と尋ねています。この場合、Who are you? は使えません。Who are you? は見ず知らずの人に直接「あんた誰?」と尋ねる表現なのです。
- It's fine today.
- It's Wednesday today.
- What time is it? _ It's 11 o'clock.
- It's 5 kilometers from here to the station.
状況を受ける it は実に広範囲に使われます。大切なのは「受ける」キモチ。身のまわりに流れる状況を感じたら、気軽に it で受ける。そのクセをつけるだけのことです。
it + to 不定詞/節
ここで it を使った、会話で頻出する重要な形をマスターしておきましょう。
- It is difficult to speak English.
- It takes less than 7 hours to get to Singapore.
表現力を大きく広げる頻出パターンです。
一見複雑な形をしていますが、作り方は単純。it の内容を to 不定詞を使って「後ろから説明する」意識です。ポイントは it が受ける単語だということ。
it ~ that ... の強調構文
it を使った強調構文です。それほど頻繁に使われる形ではありません。というのは、この形は相手の誤解を解く際に用いられる文だからです。
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代名詞、あとちょっと。
See you again.