単数ととらえる・複数ととらえる
さて、大切なのはここから。単数形と複数形の使い方・感じ方の問題です。
単数形なら単数、複数形なら複数を意味している_ここまでは単純。だけどね、単数形でも複数だと感じられるケース、複数形であっても単数だと感じられるケースがあるんですよ。ややこしい?
■集団をあらわす名詞の単数・複数
- He comes from a large family.
- There are 2 Indian families living near us.
- My family are /is all into skiing.
集団をあらわす名詞には、単数形でありながら複数扱いにするケースがあります。その代表例は family。
family(家族)という単語は2とおりに見ることができます。まずはひとまとまりのモノとして見る見方。①の family は「ひと家族(世帯)」。②の families なら「複数の家族(世帯)」。ここまではふつうの名詞と同じです。
注意しなくてはならないのは③の使い方。単数形の family にすく数を受ける be動詞 are が使われています。これがもう1つの「見方」。family の中にそれを構成するメンバーをみているのです。お父さん、お母さん、弟などなど。ほら、複数として感じられましたね。こうした見方を許すほかの語には、class, audience, team, staff, committee, company, government などがあります。集団をあらわす単語はその向こうに構成メンバーが見えることがある。だか複数として扱うことがあるということなのですよ。
実はこの使い方にそれほど神経質になる必要はありません。最近のアメリカ英語では、ここの構成メンバーが意識されていても一貫して単数と扱う強い傾向があるからです。(③では is が選ばれています)。要するに、集団をあらわす単語を複数扱いしていたら「ああメンバーを見てるんだな」と理解する。その程度でいいってことですよ。ぶちぶち説明してごめん。
集団をあらわすその他の注意すべき単語
- staff(職員全体)
1人1人は a member of staff, an employee となります。 - police(警察)
ぼんやりと警察官の集団を指すことば。警察官を個別に指すことばは a police officer。poloce はいつも複数として扱うと考えてください。 - people(人々)
ふつうこの単語はぼんやりと複数の人をあらわし、この意味では常に複数として扱います。ですが、時折 a people, peoples などと使われるケースがあります。「国民・民族」などある地域にいる人々をまとめて a people としているのです。
「the + 形容詞(~の人々)」は複数扱い
- I just read a surprising article about the homeless in Tokyo.
- Is it natural for the strong to protect the weak.
「the + 形容詞」は「~の人々」をあらわすコンビネーション。s は付いていませんが、複数として扱ってください。間違いが多く見られるポイントです。
- The rich are sometimes stingy.
まとめて考える場合は単数扱い
- 20 cigarettes is a lot of smoke in a day, don't you think?
- 20 miles is a long way to run.
どちらの文も複数形の主語(-s)を単数として扱っていますね。(同士が is )。この「見方」を手に入れてください。20本のタバコの1本1本を考えているわけではありません。「20本のタバコ」というまとまりを考えている。まとまりは1つですよね。だから単数として扱っているのです。
2つ以上のモノが絡む動作は複数
- Did you get a direct flight or did you have to change planes.
- Some people bow while others shake hands.
- I made friends with Karen.
change planes/train, shake hands with, make friends with_こうした言い回しでは必ず複数形が用いられます。というのは、2つ以上のモノが関わるから。「乗り換える」には飛行機や電車が必要ですし、③の make friends は私とカレンで友だち同士(friends)を作るのです。
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単数・複数の区別は、「1つ」か「2つ以上か」。ただそれだけです。いろいろなケースに触れてコツをつかんでいきましょう。
See you again.