限定詞|a [an]
- I'd like a chocolate donut. _Just one, please.
限定詞 a [an] は、常に単数名詞と一緒に使われるため誤解を受けてきましたが、そのイメージの中核は「1つの」ではありません。
もし、a [an] が「1つ」を強く主張するなら、just one を重ねる必要はありませんよね? a [an] は「(特定のモノに)決まらない」_the と対照的なイメージをもっています。
話題に初めて登場させる
- You know I bought a new iPod? Well, the thing keeps freezing up!
- Karen's got a new boyfriend. The guy is not fiendly at all.
a [an] が活躍するのはまず、話題に何かを初めてとうじょうさせる場合。初めて話題にもち込むモノは、聞き手にとっては「(特定のモノに)決まらない」_だから a [an] が使われるのです。初めてのモノを a で導入して the で展開。いいですね。
特定のモノを思い描いていない
- I need to find a part-time job.
- Mary is a nurse.
次に話し手がそもそも特定のモノを思い描いてはいない場合。もちろん a [an] が使われます。①の「バイトを見つけたい」。まだ見つけていないんだから特定のモノには決まりません。また②の「主語 + be + a [an] ... 」は、職業や立場を紹介する典型的な形。「メアリーは(ほかにもたくさいいる)看護師(の1人)です」ということ。やはり特定の1人を思い描いてはいないので a [an]。
■a の類推
- This is a present that he gave me.
- She gave me a reason why she left him.
a [an] がもたらす類推は the の類推と対照的です。日本語の訳は the を使ったケースと同じになってしまいますが、みなさんなら意味の違いがわかるはず。the の「1つしかない」に対して a [an] は「ほかにもいろいろあるんだな」。という類推が働くのです。
other(ほか)の使い方
英語初心者にとって、ことのほか難しいのは、other の使い分け。other は場面に応じて the other, another, the others, others と使い分けられるから。例えば、ケータイショップで新型機種を見せてもらってるとしましょうか。
- Show me the other.(ほかの見せて?)
これは新型機種が「2つ」しかない場合。 - Can you show me another?(ほかの見せて?)
新型機種、ほかにもいろいろ見せて。1つに決まらない。だから an-other。 - Can you show me the others?(ほかの全部見せて?)
「the + 複数形(others)」は特定グループ全体。「ほかの機種全部」 - Can you show me others?(ほかの見せて?)
限定なく「ほかの」。ほかの機種をいくつか見せてほしい。
ほら、簡単な使い分け。ぜひマスターしてくださいね。
a と an の使い分け
母音(a, i, u, e, o)で始まる語の前に置かれる場合 a → an。
apple は母音で始まるため an。文字ではなく「発音が」母音の場合であることに注意しましょう。
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a [an] は「(特定のモノに)決まらない」。これだけは覚えておこう!
See you again.