限定詞|the
the は名詞に最大級の限定を与えます。「特定する」と考えても悪くはありません。ただそれは the の強力な表現力のごく一部。the のイメージは「1つに(複数形の名詞を従えるときには1グループに)決まる」。the を使うとき話しては、常にそれが聞き手にとっても「1つに決まる」ことを意識しています。1つに決まる_ the で重要なのはそれだけ。
文脈から1つに決まる
- I met Karen's boyfriend last night. The guy is not friendly.
- You know I bought a new iPod? Well, the thing keeps freezing up!
まずは前の文脈から「1つに決まる」ケース。「昨夜、カレンのボーイフレンドに会ったんだよ」。前の文で「1人」が話題の焦点になりました。次の文で the guy と言えば聞き手には「ああ、前の文で出てきたカレンのボーイフレンドのことだな」とわかる。だから the が使えるというわけ。②は「a...」で進入して、the で受ける、非常にポピュラーな文の流れです。
ちなみに次のような流れでは the を使うことができません。
- I met two Chinese businessmen last night. The guy ... ×
前の文で焦点が当たっているのは「2人」。the guy といってもどちらのことなのかわかりませんよね。(2人を the guy と受けるならOK)。「1つに決まらない」。だから the は使えないのです。
the で受けることができるのは「同じ」ものだけではありません。関連しているだけでも1つに決まればOK。
- I just saw a car run a red light. The driver was using his cell phone.
- I just saw a dog attack a little kid. The owner did nothing!
その場の状況から1つに決まる
- Close the door!
- Look at the puppy over there! Cute, isn't it?
その場にあるものを the で示す大変ポピュラーな使い方。もちろん「あ、あれね」と1つに決まらなければ不可。ドアが2つあってどりらかわからないようなケースでは使えませんよ。
常識から1つに決まる
- 70% of the earth's surface is covered by water.
- The world is our classroom.
- Which way is the restroom?
earth, sun, moon, world などには the がつきます。常識的に1つに決まることから。でも、「world にはかならず the」などと安心してはいけません。 the は「1つに決まる」が肝心なのです。
「1つ」を意味に含む語句
- Chiaki Mukai was the first Japanese woman to travel into space.
- You are the only girl I've ever loved.
- Who is the youngest of the three?
first(最初の)、only(唯一の)、最上級などに the が使われるのは、「1つ」に決まるから。 first woman は何人もいませんよね。
「the + 複数」=1つに決まるグループ
- Look at the penguins over there.
- The Yamadas are moving to Indonesia.
the が複数に使われると「1つに決まるようなグループ」。特定のグループ全体が意識されています。「the + 姓(-s)」「~さん一家」となるのも同じ、Yamada どいう姓をもった人全部が意識されるからです。
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次は、a[an] ですよ。
See you again.